世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

運動会で感じた日仏の違い

日本語補習校の運動会があった。

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毎年、楽しみにしている我が家の子供たち、なぜか週の初めあたりから元気がない。

「足が痛くて走れない」「あまり期待しないでね」などと弱気。

当日の徒競走で、二人とも4位。これまで、いつも1位、2位だったので、本人たち相当気落ちしている様子。

「だから嫌だったんだ、リレーの選手と同じ組に入れられたから負けるに決まっている」

娘はリレーの選手の補欠、息子はリレーの選手だったので、ギリギリ速い子たちが集まるグループで走ることになったようだ。

負けることも覚えたらいいなって私は思う。「よく頑張ったね」と伝えた。

 

その日の夕方、息子が言った。

「僕、来年はリレーの選手を決めるときわざとゆっくり走ろう。そしたら、リレーの選手の練習にも出なくていいし、速い人と走らないから一等賞をもらえるし」

お怒りマークが点滅し始めた私だったが、ぐっと我慢。すかさず、娘が

「真面目にいっているの?そんなの恥だよ、恥。負けたって、全力で一番強い人たちのところでやった方がいい!」

こういう時、娘は日本人よりで、息子はフランス人よりだなって思う。

  日本人⇒負けても全力を尽くせ(校長先生も初めの言葉で言っていた!!)

  フランス人⇒自分の能力に合うところでほどほど。勝てるところで戦う、合理的。

どちらも間違いとは言えないけど、そんなに簡単にあきらめてほしくないなと思うので、自分が高校受験の時に父が言ってくれた言葉を息子に伝えた。

「迷ったら、高いところを目指した方がいい。能力の高い人たちに囲まれて、そこでもがいているうちに、段々それが普通になってきて、いつの間にか自分も成長している。自分が楽に感じる環境にいたら、伸びない。」

「ママはじいじの言ったことは正しかったと思っているよ」って言ったら、息子は黙って聞いていた。来年もリレーの選手を目指してくれたらいいな。