世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

ミチムラ式漢字学習セミナー②~読みの仕組み

だいぶ時間がたってしまったが、道村先生の漢字学習セミナー二回目の報告。今回は、漢字学習に躓く二つ目の理由の一つ。

 

音読み

 

ということで、なぜ音読みが難しくなるのかという話でした。

  •  訓読みがない音読みのみの漢字は、イメージがつきにくく、定着しない。

   ⇒が、漢字の半数以上を占める!

  •  音読みの読み方は、特定の行に集中していて混乱する。

   ⇒カ行、サ行出54%も占める!

  •  一つの漢字に対して、音読みは複数ある。

   ⇒実際は、90%の漢字は一つだけで、三つあるのは、「読」と「分」だけだそう。ちなみに「生」は、音読みは2こ、訓読みが8こ!

  •  教科書の音読み導入の仕方が悪い。(特に光村図書)

   ⇒1,2年生で、教えやすい訓読みに集中していて、音読みは3,4年生になって一気に習うのが、通常だ。それでも、光村以外の4社は、1年生からすべての読みを表示している。例えば、、1年生で「男おとこ」「赤あか」という読み方を習っているが、「ダン」「セキ」という読み方は、4年生で習う。私自身、教師なのでわかるが、3,4年生は、進出漢字の数が多く、すでに習った漢字の音読みの指導は、とても軽い扱いにしている!なので、一部の語彙をたくさん持つデキル子は感覚的に理解できてもここに躓く子がいるのは十分頷ける。

 

で、道村先生が提案している解決策

 

漢字のタイトルを覚えること。音読みだけでは、子どもの中に浸透していかないので、熟語とセットで覚えるのだ。

ミチムラ式のカードの裏には、漢字のタイトルがある。

例えば、常「ジョウ識のジョウ、つね」

というように。

ここで選ばれている熟語は「単語の親密度調査参照」「誤解を招く同音異義語の排除」を通して厳選されているので、もし、ここにかかれている言葉を知らなかったとしても語彙を増やすいいチャンスと捉えればいい。そして、道村先生は、低学年で習っていない読み方も出てきたときにセットで覚えてしまうことをお勧めしている。

外国で漢字を学ぶ子供たちにとって、この語彙を増やすということ、そして指導者にとっては、どの語彙を優先して教えるかということは、結構悩みどころなので、これはいい!と思った。

 

漢字学習とはやや離れるが、語彙(漢語)を増やす方法として、参加者からいろいろなアイデアが出されて参考になった。

  • 意識して日常の語彙のレベルをあげる。
  • ディクテ(読み上げたことを子供たちは書く)
  • 子どもの日本語のレベルよりちょっと上の本の読みきかせ⇒わからない言葉があったときには文脈とセットで覚えられる。
  • 新出漢字が出てきたときに、クラスでおもしろおかしい短文づくり。

最後のは、私もクラスでやったことがあるし、最近小5の息子のクラスでもやっているらしく、その効果を実感している。クラスならではの楽しみ!