世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

娘の爪をきれる幸せ

「あーあ、こんなに伸びちゃって~」っと言いながら、

パチン、パチンと爪を切る。

「でも、ママ嬉しいんでしょ?」

「うん!」

「私が爪を噛まなかったから?」

「うーん、一つ大きな壁を乗り越えたってっことだから。頑張ったね。」

 

3歳で渡米した娘は2年間爪を切ることがなかった。

ずっと詰めをかじっていたから。

 

3歳までは在仏。

保育園に週2回行くものの、メインは私と日本語。

 

3歳で渡米、フレンチスクールに入学。先生はフラ語、子どもたちは英語の環境。

在米2か月ころ。

「英語のみ」「フランス語のみ」「英仏両方」のカテゴリーで友達を区別。

「英語のみ」の子は初めからシャットアウト。

在米4か月ころ。

フランスに帰省すると、

  「へぇ…ここは、みんなフランス語を話すんだね!」

とびっくり。

その後、アメリカに戻ると、学校でフランス語で話し始める。

(それまでは言葉を発さなかった)

 

2年目。

クラスにフレンチネイティブスピーカーが二人入ってきて、3人でフランス語の世界に。自分を表現できることの喜びを味わい、少しずつ自信をつけていった様子。

英語はESLのクラスに週1,2回取り出して指導を受けるも、家では発することなし。たまに、英語のアニメを見せようとしても拒否。

日本語は、私が主催する日本語教室に入り、優等生、少しずつひらがなを学ぶ。

夏は日本の幼稚園に一か月入れてもらう。彼女曰く、

  「日本の幼稚園好き!だって、言っていることが全部わかるから」

 

3年目。

学校が始まると、突如として家で英語を話し始める。しかも、いきなりセンテンスで。

フランス語については、

  「今日学校で、私だけune souris(一匹のネズミ)ってわかった!」

=一人だけ女性名詞と男性名詞の区別ができた。

と、話すなど、自分が他の子よりフランス語ができるということを自覚、誇りに思えるようになってきた。

また、学校で名前を書く場面で、

  「日本語でも書いていいですか?」

と先生に聞くらしく、

  日本のルーツを持つということ、日本語ができるということも誇り

に思えるようになってきたようだ。

 

かくして、3年目にして週1は爪を切らないといけなくなったのだ(笑)

この数か月の間に、

  自転車補助なし

  泳ぐ

ということもできるようになり…何が原因で結論かはわからないけど…

  自信をつける

って、人が成長するのに本当に大事だなと思った。