世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

ブックレビュー「メモの魔力」


 教え子のFacebook  に紹介されていて、「メモを取る習慣」を今年の目標の1つに抱えているので、早速Kindleで購入、耳読。

 

メモの取り方に関する細かいノウハウはもちろん参考になったのだけれども、

  自分がワクワクするお気に入りのノートをゲットする

というのが、私にとってはスタートだなと思った。

 

それ以外の気づき。

  夢の実現のタイプについて

著者は、「トップダウン型」「ボトムアップ型」「ハイブリット型」と分けているのが面白い。

私は著者と同じもともとは、トップダウン型だけれども、少しずつ成長するにつれて「ハイブリット型」、すなわち、自分で目標を決めてそこから逆算して毎日やることを決める、プラス、普段の生活でワクワクする事を大事にして、周囲の自分にない力をもらいながら、新しい夢を作っていく方法に移行してきてるように思う。

 

この枠組みは、今の仕事、「継承語としての日本語」を教える際にも、応用できるなぁと思った。

 

「国語としての日本語」でも「外国語としての日本語」ではない「継承語としての日本語」という概念は、最近注目されるようになっていて、当然確固としたとしたカリキュラムはない。なので、

  子供たちが今ワクワクする、すぐに使える日本語

を教えることから出発することになる。でも、

  目標を定めてそこに向かって逆算し、内容を決めて子供たちを引っ張っていく

視点も長期的に見ると大事だと思うのだ。子供たちは、「今」を生きているし、それしか考えられないけれども、教える側の親や教師は、将来を見据えることが役割だと私は思う。仮のものであってもいいので、ここを目指したいって言うものを作って、それを逆算する「トップダウン型」に、子供たちが今引かれている、ワクワクするものを随時取り込めながら、学習できたら、まさにハイブリット!

 

もう一つの気づき。

  私自身がどんなことに喜びを感じるか

を初めて、はっきり意識することができた。

 著者は、「今の自分は小学校6年生の時、ノートの取り方を褒めてくれた先生にある。先生、僕のこと覚えているのかな」と、振り返っているのだが、私が目指す教師像はまさしくその先生。

教育活動の中で、自分が発した何気ない褒め言葉、姿勢が他の人に何らかの作用を及ぼし、その人の自己実現を助けられたら、本当にうれしい。

お金持ちになること、社会的地位が上がること、などがモチベーションになる人もたくさんいるのだろうけど、私の場合は、そこじゃなかったんだというのが、意外な発見だった。だから、風来坊なんだなぁとしみじみ。

 

メモの取り方以外のところに目が行って、肝心なメモのノウハウをちゃんと実行しないということにならないようにしないと。