世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

海外補習校の役割は変わりつつある?!

日本に将来的に帰国の予定がある子供たちに、

日本の学習指導要領、教科書に沿って

国語として

日本語を教える

 

これが、これまでの海外にある日本語補習校の役割だったと思う。

もちろん、うちの子のようにミックスの子供であっても、受け入れてくれてはきた。でも、それには日本語が

  国語のようにできることが前提

で、それについていけない子供やそれをサポートしきれない親御さんは途中で辞めていくことが多かった。

 

日本で週5日かけてやっていることを週一回、しかも、

日本語からかけ離れた日常生活を送る子供たちに

教えるのだから、ハイスピードにならざるを得ない。

  家庭学習と補習校授業の両輪があってこそ成り立つ仕組み

である。日本から来ているいわゆる駐在のお子さんであってもかなりの努力が親子共々要求される。

国際カップルのお子さんの場合は言わずもがな、である。

これまでは、ミックスの子供たちは、何とかついていくために必死に頑張ると言うのが普通だった。それが最近、どうも様相が変わってきたなぁと思う。

 

ミックスの子供たちの存在感が増してきた

 

国際結婚が増えたせいか、人数的にクラスに占める割合が増えている気がする。そのせいか、

  「家の子は、漢字は読めればいいんです。」

のように、学習指導要領などお構いなく、自分の子供たちにとっての学習目的、内容を保護者は期待するようになっている。

文科省の態度も変わってきたとも聞く。これまでは、ミックスの子供たちは、

  ついでに、入れてあげている

という感じだったが、

  国際化進展ために架け橋となる人材

みたいに積極的に評価しているように感じる。

 

日本に帰る予定の優秀な子供たちは塾へ移行

 

場所にもよるだろうが、私の住んでいる場所は補習校でも750人(幼稚園から高校まで)も生徒数を確保できるほど大きな街なので、民間の塾産業も流行っている。そして、小5ぐらいになると、1部の日本帰国予定の学力上層部の子供たちは、補習校を止めて塾へと流れだす。

おそらく、補習校の授業では

「日本人の友達を作る」

「何かと緊張が多い現地校の息抜きの場」

というくらいの気持ちできていたのが、「帰国子女」の希少性も擦れ、多少の英語力を持って帰っても…という事情もあって、補習校+塾から、補習校→塾という選択に移っていくようだ。

日本語もままならない子供たちとよたよたと進む授業より、受験に直結する知識を同じ目的で学ぶ、日本に帰った時に期待される英語力向上に全力を注ぐ、そういう価値観を共有できる人に囲まれる方を選んでいくのかな。

 

というわけで、10年前に比べて、補習校の様相が変化してきていると感じる。