世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

バイリンガルの「学習言語」習得までの長い道のり~14歳娘の悩み

夏から日本に移住することを一番喜んでいるのは、14歳の長女。理由は、 

  落ちていく日本語力を取り戻したい

 補習校で日本から来ている友達とのやり取りの中で、ひしひしと

  語彙力の乏しさ

を実感するようだ。自分は稚拙な言葉しか知らないと。

この前も、「どうでもいい、軽い話」を「雑談」と言いかえられて、ガックリきたらしい。雑談の言葉の意味は分かるけど、自分の口からするっとと出てこないと。

 

そして、日本語力の落ちを一番感じるのは、

  書き

の時。考えを組み立てて、それをアトプットするという過程をすべて日本語でやろうとすると、うまくいかないらしい。

 

 

日本語力が落ちてきた背景であり、目下の悩みは英語。

在住3年目で、日常会話はすでにペラペラの範囲に入ってきて、本人も自信ありげだが、言葉で考えを組み立てていこう、つまり、

  学習言語レベル

とすると、スムーズにいかない。

そして、すごく落ち込む娘。 

その苛立ちや悔しさが痛いほどわかる。どう励ませばいいか?

 こういう時知識は役立つ。

  生活言語2-3年 学習言語 5-7年。

3年目にして、学習言語のことで頭を悩まし始めているのはごく自然なことだし、むしろ早いくらい。気長にやろ!と、言うと涙をポロリ、そしてこっくりの娘。

 

娘と同じ悔しさを私も日々感じている。

日常会話はなんとなくできるようになっても(これすら、疲れているとすらっと出てこない)、英語フランス語ともに、

  子供たちの連絡帳を何も考えずに自信をもって書く

まで、結局たどり着いていない。

 

こんな時、ある映画を思い出す。

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文盲であることに対する劣等感に最後まで真正面から向かい合えない主人公。

 

色々な事情があって、三つの言語をジャグリングする羽目になっている私たちだけれど、バイリンガルの落とし穴、

  リミテッドバイリンガル

にならないように、

  ちゃんと自信をもって、自分の考えを組み立てられる言語を必ず一つ

育んであげられるように、親としてできることをしてあげたいと思う。

 

一方で、もう私の手を離れてきていることも実感。

  自分の言語力を冷静に分析できている14歳

って、結構すごいこと。