世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

漢字であそぼ③~音訓読み導入にオススメの本

小学校1年生の後半、漢字を習い始めて少し経った頃に読んであげたい本。

 

 

ぺらぺらとめくりながら、学年配当漢字に必ずしもこだわらなくていい、海外で育つ子供たちに漢字を楽しく教えるアイデアがいくつか、思いつきました~。

 

つながりで漢字数を増やす。

「体」つながりで、目、耳、口…などを勉強した後、それから派生する動詞の漢字を学ぶのがイイ!

 

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同じ音でも色々な漢字があることを知る。

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 一つの漢字でもいろいろな読み方があることを知る。f:id:edu-kachan:20191120154025j:image

「お友達の作文です。一回読みますね。花火大会、行ったこと、みんなはあるかな?さあ、質問です。この作文には、「上」という漢字がいくつかかくれんぼしています。3分で何個見つけられるかな?」とかからスタートして、

 「あれ?全部読み方が違う!けど、意味は同じ。」

って、気づける授業が組めるといいなぁ。

低学年の時に訓読みばかりやっていて、3年生からいきなり数も増えるし、音訓両方覚えさせられるし、という事態を和らげられるのでは?

 

漢字の分解、合成に気づける。

 

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作者の意図としては、きれいに(くっつけるべきところはくっつけて)書かないと、別の字になっちゃうよーということを言いたかったのかもしれないけど、基本漢字を組み合わせると、別の漢字ができるよ、

  漢字はたくさんあるけど、基本漢字を覚えれば、複雑になっても大丈夫

って、メッセージを伝えられたらいいな。 

 

私が、ファシリテーターを務めるマルチリンガル漢字指導法研究会、2019年の3月、メンバーのブレーンストーミングから始まり、どこに向かうかドキドキ半分、ワクワク半分だったけど、ようやく、私の中では、進む方向がはっきり見えてきた!

ぼんやりはこれまではわかっていたことだけど…

「小学校3年生途中まで」と「小学校中学年」「小学校高学年から」の漢字学習は、目指すことと子供の発達段階が全然違う。

「小学校3年生途中まで」は、まずは、

  とにかく楽しく、「漢字の持ち数」を増やすこと

もうひとつは、中学年からの高い山、長い道のりに耐えうる

  「漢字を俯瞰する力」をつけていくこと

なんだと思う。

この本は、それに一役買ってくれそうなので、オススメです!