世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

日仏、どちらの教育が良いか?

息子のサッカーの試合を見ながら、フレンチスクールに通合わせる保護者と雑談しながら、両方の国の教育の良さや欠点について、楽しく語った。

 

結論から言うと、私は、

  小学校までは日本の方が断然良くて、中学からはフランスの方が良い教育

をしていると思う。 

面白かったのは、両方経験しているフランス人の親御さんは、異口同音で私と同じようなことを言っていた。

 

日本の小学校の方がフランスよりいいと思うところ。

  音楽図工家庭科などの技能教科がたくさんあること、そしてそのレベルが高いこと

  団結することの楽しさや難しさを体験できること

  掃除や給食当番などがあること

  読み書きそろばん的な基礎基本を繰り返し丁寧に教えること(ドリル学習)

  集会、委員会など、責任感、奉仕活動、その喜びを養えるところ

  先生が親しみやすいこと

  全人的に子供を見て、勉強以外のことでも価値を見出し自信を与えるところ

  

中学からフランスの方がいいと思うところ。

  集団より個人を重んじるところ。

  知識を教えることより、自分がどう考えるかを主張することを大事にするところ

  考えを言語化することを順を追って鍛えていくところ(作文⇒論文指導)

  使える外国語指導を目指すところ(読み書き話す聞くの4技能を伸ばす)  

  塾に行かなくても学校の勉強をしっかりしておけば大学進学まで行けるところ

  服装や時間(部活のような)縛りがないこと

 

大学はどうだろうなぁ。経済的にも中身的にもフランスの方がいいと思うが、これは娘が進学してからまた考えたい。

 

継承語、やっぱり悩ましい言葉

先週末、小六の息子の友達のお母さんと話して意外だったことがある。

 そこも、うちと同じ日仏家庭。

  家では日本語で話すのに、学校では絶対にフランス語しか話さない

ということ。

 理由は、東京のフレンチスクールには日本語を完璧に話したり、読み書きしたりする子がたくさんいるので、そこでは話せないというのだ。

  「話せばいいのにねぇ、子供の中で見えないヒエラルキーがあるらしいよー」

とそのお母さん。

お母さんとその子が日本語で会話をしているのをちらっと聞いたけど、引け目を感じることなど、まったくないのだけど…

そういえば、シカゴの補習校の中学部に入った頃から、長女も『日本語ができない』と委縮し始めていたなぁ。中学部に残るのは、日本人家庭か日本語の学習に意味を見出せた一部のミックス家庭だけだから、相対的にできないと感じたんだろうなぁ。

  だから、継承語って悩ましい。

前にも書いたけど、継承語とはなんぞや①~子供にとって(2世) - 世界の学校から

  できても100%自信を持てないし、

  周囲はなんとなくできて当たり前

「バイリンガルは自然に覚えられていいねー」言われちゃう。できなければ、恥ずかしい思いをするという…。

 

長女が、東京のフレンチスクールに入って喜んだこと。

「わからない漢字があるでしょう?途中まではなんとなくわかるんだけどって感じの。それで、隣の人に聞くと、その人も同じような感じで、その漢字に一部を足して、次の人に回すの。その隣の人も自信をもって答えが書けなくて…そんな風にして、クラス一周したころに漢字が出来上がっていること。」

同じようなレベルの子供たちの中で安心して、励ましあって学んでいけるって、とっても大事なこと。

 

自分の子供だけでなく、周りの子供にも、

  二つの言葉を学んでいることは素晴らしいこと

  100%できるなんてあり得ないからどんどん使って!

と伝えたいなと思う。

 

継承語教育、結局コツコツ積み重ねるしかない

昨日、小六の息子のサッカーの試合で1日、他のお父さんやお母さんと雑談する機会に恵まれた。中に、日本20年以上住み、

  子供は小学校6年生までは日本の学校に中学から東京国際フランス学園

に入れているというお母さんがいらした。

ご自身が、教員で、横浜のインターナショナルスクールでフランス語を継承語、外国語として教える傍ら、この学校に入るまで、自分で息子にフランス語教育をしていたと言う。私がこれまでやってきた「海外で日本語を継承語を教える」の逆バージョンなので、興味深くお話を聞いた。

 

日本語を継承語として教える時、高いレベルまで持っていけるかどうかの試金石は、

  小学校中学年の漢字を乗り越えるかどうかにある

と思っているが、フランス語を海外で教えた場合どうなのかなと思って聞いてみた。

 

難しいのは、

  正確な綴り

  語彙の豊富さ
2つだそう。

ヨーロッパは、アルファベットを覚えればいいだけではないかと思われるかもしれないが、その組み合わせでいろんな音を作るので、聞いただけではなかなか正確な綴りができないのである。

例えば、この前小学校1年の娘の宿題を手伝っていて気づいたのだが、「エ」を書いてといっても、「est」「et」とがあり、文脈によって正しい方を選ばなくてはならない。

 

語彙の豊富さは、言うまでもないが、日常生活で使われる言葉は限られているので、意識的に語彙を増やさない限りは増えていかないという。特に、

  学習の中で使う言葉は特別

で、去年フレンチスクールに入学した時は、算数の問題の指示がわからずに、かなり苦労したという。

 

じゃぁ、どんな対策をしてきたかと聞いたら、

 

  ディクテ(聞き取り)

  読書→わからない言葉をピック→辞書で調べる→週に1度はその単語帳を見返す

だそうだ。

 

それで私は思ったのは、タイトルの通り。

  結局、何語であっても、一定のレベルを超すにはコツコツやるしかないんだなぁ。


やや、無味乾燥した勉強かもしれないけれど、こうしたコツコツした積み重ねがあるからこそ、フランス語や日本語のプールにちゃぽんと入れた時に、苦しいながらも水の中から顔出すことができるのだと思う。

ただ、味がない、でも、エネルギーになる白いご飯でも

  ふりかけ

をかければ、ご飯が進む。


私がファシリテーターを務めさせてもらっている、

www.learnjapanonline.com

でやれるのは、

  低学年は、白ごはんをチャーハンやカレーライスにまで加工してあげること

  中学年からは、いろんな味のふりかけを用意してあげること

なのかなと、ぼんやり見えてきた。

 

片仮名をどう教える⑤~覚えたての頃にお勧めの本

片仮名を一通りサラッと学習し終えた。

ただ、まだ書き間違えるし、読むときにすらっと出てこない。後は、練習あるのみ。

でも、ひたすらプリントをこなす〇〇式は避けたい、という人にお勧めの一冊を発見!

 

  

お勧めの理由は以下の3点。

  • 間違いやすい片仮名に気づける。
  • 字を分解するという視点に気づける。
  • 同音異義語、比喩表現に気づける。

一つ目は、片仮名そのものの習熟に役立つし、残りの二つはこれからの学習の布石になる。物語を下手になっていて、何よりも子供はただ楽しい!以下、詳しく説明したい。

 

間違いやすい片仮名に気づける。

間違い探しは、子供たち大好きだ。


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「コソコソ」→「コンコン」

「シクシク」→「ツクツク」

「ヘソコプター」→「ヘリコプター」

片仮名の書き間違いのせいで、おかしな言葉になってしまっていて、くすっと笑えたら、なおいいのだけど、海外で学んでいる子供たちには難しい子もいるかも。この辺は、普段の読み聞かせ量の差が学習の楽しさに影響を与えるよな~と思う。

 うちは、虫の名前、あまり教えてないなぁ~と気づいた。

 

字を分解するという視点に気づける。


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いろんな片仮名の中に隠れている「フ」。娘とは書きの練習の時に、「かくれんぼ上手なフーちゃん」と言いながら、練習した。この

  字を分解するという発想

は、この後の漢字の勉強でうんと役に立つので、ここで軽く触れておくに越したことはない。

 


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 何気に助詞の「を」の説明をしているのも、すごい!

 

同音異義語、比喩表現に気づく

 主人公のらっちゃんが「本の虫」というところから、

  虫=insect ?

という疑問から大冒険が始まる。

その中で、

  むし⇒ 虫、蒸し

だったり、

  ~虫 ⇒ 悪イメージ(泣き虫、弱虫…)

  ~虫 ⇒ そのことがすごく好き(本の虫)

の意味へと気づかせるという…その深さに唸った~。

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同音異義語は、漢字の良さでもあるし、漢字学習の難しさでもある。3年生くらいからの大きな躓きポイントになってくるので、少しずつ慣らしていきたいところ。

比喩表現も、意識しないとバイリンガルの子供たちはスルーしてしまうので、機会をとらえて教えてあげたいことの一つ。

 

この本を読み聞かせながら、末っ子、茶碗蒸しを知らないことに気づいた!今晩は茶碗蒸しにしようかな。

 

 

金沢!小学生と行く体験型おすすめスポット

6年ぶり位に、ゆっくり昔住んでいた金沢の子供たちと行1週間ぐらい過ごした。北陸新幹線が通ってから、街の中心はすごく観光客が多いという話だったが、私たちが住んでいたところは、あまり変わってなかった。なんでも、便利な分、日帰りで観光して帰ってしまうお客様も多いようだ。

 

金沢の観光スポットは、街の中心に凝縮されていて、とても便利なので、都市圏からリフレッシュするためにふらっと出かけるのには本当にオススメの場所だ。でも、今日は、ここで小学校教師を務めた経験のある私だからこそできる?

  小学生が楽しみながら、歴史に興味を持てる

体験型のスポットいくつか紹介したい。

 

①石川県立歴史博物館 http://ishikawa-rekihaku.jp/activities/openspace.html

ここの「歴史体験ひろば」は、本当に楽しい。

クイズがあったり、実際に触ったり、着たりできるのが素晴らしい。

年長さんの娘は、囲炉裏や洗濯板、藁沓体験、明治時代の服を着させてもらったり、戦前の学校&教科書を楽しんでいました。

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小6の長男は、火縄銃や土器のパズルなどがお気に入り。

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中3の娘は、体験広場ではなく、展示室の方がやはり見ごたえがあった様子。

クイズがあったり、ストーリー仕立てになっているので、点で学んだ歴史に広がりが生まれる。

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私は、参勤交代のレプリカが好き!

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兼六園から歩いてもギリギリ行ける範囲なので、是非、足を伸ばしてほしい!

 

②石川県立埋蔵文化財センターhttp://www.ishikawa-maibun.jp/information/park/

車がないとアクセスが難しいけれど、地元の人も知らない穴場!

ここも古代体験広場が面白いし、実際に入ったり、触ったりできる竪穴式住居などもあり、タイムスリップを味わえる。

古代体験広場では、常時体験できる火起こし、勾玉づくり、貫頭衣の試着…のほかにも、月替わりのメニューも用意されているので、出かける前に、是非チェックしてほしい。

 

黒曜石カッターを試す娘。

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時代ごとの竪穴式住居がお庭にいくつか並んでいて入れる。

 

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かご作りにはまった長男

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ひとたび車でここに行ったなら、抱き合わせで行ってほしいところが二つ。

 

内川スポーツ広場 https://www.kanazawa-sports.jp/use/search/573/

スライダー、芝そり、貸自転車が公営ならではの安い値段で、幼児から小学生まで十分に楽しめる。

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滝亭 https://takitei.co.jp/

料亭の食事が落ち着いた雰囲気の中、リーズナブルなプライスでお昼は味わえる。+500円で滝が見える露天風呂に入浴も可!

 

 

③湯涌 江戸村 https://www.kanazawa-museum.jp/edomura/about/index.html

ここも車がないと難しい。金沢の奥座敷、湯涌温泉の一角にある、江戸時代の商家が何軒か移築されている。博物館っていう感じではなく、周囲の風景に溶け込んで、村人になった気分を味わえる。

ここまで足を伸ばしたら、ママが喜ぶ?

白鷺の湯 https://yuwaku.gr.jp/yu/

と、パパが喜ぶ?

竹久夢二館 https://www.kanazawa-museum.jp/yumeji/

にも寄ってください。

 

足軽資料館 https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10056.html

ここは、金沢の中心、香林坊裏にある長町、武家屋敷街の隅にある見逃しがちな資料館。家の中に入れたり、台所や食卓の様子が再現されているのが楽しい。

 

⑤夕日寺健民自然園 https://www.yuhidera.jp/

歴史とはちょっとずれるかもしれないけど、昔のおもちゃ作りなどのイベントをよくやっているので、車があって、田園風景の中をドライブ&里山に癒されたい人、子供を思いっきり走り回らせたい人にはお勧め。

長女はパチンコ作りに挑戦、これから、飛ばすところ!
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季節によって、栗拾いやザリガニつりができるので、小さい子供連れの方にはお勧め。

 

書きながら、金沢はやはり豊かな地域だったなぁと改めて。ほとんどお金がかからないところばかりなので、お財布にも優しいので、お試しあれ~

 

 

 

ダブルスクールに挑む⑤~日仏芸術教育のちがい

小6の息子が発見した日本の学校のすばらしさ。

  楽器がたくさん学校にある!

  みんなが楽譜を読める!

長女の合唱の練習のまとまりの話から思い出したように、息子が言い出したことだ。

どうやら音楽の授業でミニオーケストラのようなことをやったらしい。フランスだったら、みんな勝手にガチャガチャ楽器を鳴らして終わってしまうところ、

  まとまって音楽を奏でいること

そして、その前提となる上記の二つに感動したらしい。

 

そうなのだ。フランスでは、学校ではほとんど音楽、美術、体育といった芸術科目の時間数は少ない。面白いなと思うのは、

  芸術を軽視しているのではなく、尊重しているから

なのだ。適当にできる(私のような~)学校の先生ではなく、ちゃんとした専門家が教えるべきものと考えている。

先週、日仏教育学会の発表を聞きながら、大いに頷いたこと。フランスでは、

  芸術を子供用に加工しない、本物を見せることを重要視

していること。

  専科の先生が学校外部から来て授業をする

のが普通だし、

  美術館やコンサートに足を運び、本物を見たり聞いたりする授業

も多い。何でも、芸術家のアトリエ自体を学校敷地内につくり、その芸術活動を日常的に見せる画期的な試みをしている学校もあるとか。

 

個人的には、芸術科目の教育については、日本の方がいいと思っている。フランス式は理屈としては通っているけど、芸術家になる人はほっといてもそうなるだろうから、多くの私のような凡人には、

  レベルが低くてもいいので、手取り足取り身の丈に合った芸術指導

をしてほしい。

フランスでは結局、家庭でお金を払って子供に芸術を意識して習わせない限り、子供は楽譜も読めないし、楽器を触ったこともないし、デッサンや工作を楽しむこともない。スポーツもちょろっとしかしないので、基礎体力が低い。もちろん、その道に進む子には、小さい時からその専門性を伸ばせる学校があるし、専門の先生が週5~のペースでみっちり仕込んでいる。

  突出した少数の芸術家 < 多数の芸術を楽しむ人々

を公立の学校教育は目指すべきだと思うのだ。

 

日仏教育学会の発表で、そうしたフランスの芸術教育の歴史には、

  文化省 VS 教育省

  芸術のための教育 VS 芸術による教育

といった流れがあり、今は、

  芸術への教育

という新しい概念が生まれているという話がすごく興味深かった。

表面的な違いをさらうだけではだめで、やっぱり歴史の流れの中で見ないと本質は捉えられないな~

 

 

ダブルスクールに挑む④~初日、長女(中3)のびっくり

フレンチスクールは、2週間の秋休み。

その間、1週間は学区の日本の学校に体験入学をさせてもらっている。小6の息子は、8月末にすでに体験済みなので、勝手知ったる~という感じで、自分で荷物も用意していった。

edu-kachan.hatenablog.com

が、長女は初めての学校。しかも、中学校ということで、少し、私も気合を入れて、初日を迎えた。

彼女は、日本の中学校自体の体験は3校目だけど、これまでは、小学校からの知り合いがいる私の母校、いとこが通う学校で、本当に誰も知らない人の中に入っていくのは初めて。

教頭先生から、文化祭の準備で合唱練習を朝晩していると聞いていたので、「文化祭の練習がメインみたいだから、あんまり、勉強しないよー。合唱やるらしいし、楽しいよ、きっと。あ、でも、フランスのコーラスとぜんっぜん違うから」と言いながら、送り出した。それでも、「行きたくない」と言われれば、無理強いはできないなと思いながら。

 

で、初日の感想は、

  楽しかった!合唱がすごい!

で、ひとまず安心。

 

何がすごいか、本人曰く。

「何というか、まとまっている。しかも、やりたくない人もいるはずなのに、それを感じさせないくらいまとまっている。私もフランスにいたとき、コーラスやっていたけど、それは希望者が集まってやっていたもの。それでもこんなにまとまっていなかった!フランスは一人ひとりになると強いけど、日本のこの『みんなでなんかやる』っていうときは、本当にすごい」

 

その話を聞いて、20年程前、初めてフランスに行って、友人に大人のコーラス部の発表があるから聞きにいかないかと誘われて、行った時の衝撃を思い出した。

  一人カラオケをみんなで舞台の上でやっている

というのが私の感想。ハーモニーという言葉は存在しないのか、この国には!と思わず突っ込みたくなった。

一人一人は、見てて笑っちゃうほど気持ちよく歌っていて、終わった後には、『いや~今日の発表は最高に良かった』と自画自賛で帰っていく姿に観客の私は取り残された気分になったのだ。

何はともあれ、娘が体験入学を楽しんでくれているのがありがたい。

「リーダーみたいな人がいてさ、フランスだったら、みんな言うこと聞かないと思うんだけど、聞くんだなこれが。きっと、うるさいなぁと思っている人もいるはずなんだけど、ついて行った方が楽だからかな、まとまる感が心地いいのかな~」と、あれこれ考えている娘を微笑ましく思う母だった。