日本一時帰国中、末っ子を幼稚園に体験入学させてもらっている。短期間なのに、クラスのママランチ会に呼んでもらえたので、参加してみた。アメリカは夏季休暇が長いので、その期間、日本に帰国していることを話した時の質問。
「日本の子って勉強させすぎじゃない?毎日宿題で何度も漢字を書かされるし、長期休暇は少ないし…なのに、所詮、よくて東大どまりじゃん!!!」
一生懸命やっているけど、無駄(非効率)ではないか?
私はそうは思っていなくて、この小学校の地道で断続的な努力が日本人全体の底辺を引き上げている、とアメリカやフランスと比べて思う。うちの息子は、小5だが、掛け算の九九をすらすらいえるだけですごいと言われるし、店で簡単な計算が必要な場面でも店員さんがいちいち計算機を出してくる姿もよく目にする。大人のスペルの間違いも多い。なので、読み書きそろばんみたいな基本は、日本の「休みが少ない学校システム」「反復練習」が効果的だと思う。
所詮、東大どまり?
東大行ければいいと思いますが(笑)、要は、世界に羽ばたくような独創性にあふれた人材が生まれないという意味かと解釈。これは、
反復練習に終始していること。
反復練習を教師の指示通りやっていること。
その教師はみんなに一律の指示を出していること。
が問題だと思う。
アメリカの教育システムでいいなと思ったのは、算数などの個人差が大きいものは、学校が民間のアプリを購入して、それを宿題に出している。共通の宿題を出すものの、その量は少なく、あとは個人が自由に自分のペースで上級の問題にチャレンジできるようになっている。つまり、自分のレベルをメタ認知できるわけだ。子どもがどの問題にチャレンジしているかの記録は、教師もオンラインで確認できる仕組みになっている。日本の場合、言われたことを素直に真面目にやる子が評価されるので、この自分で自分を把握してドンドンがなかなか進まない。
反復練習に終始しているのも危険。計算、漢字などある程度、反復、習熟が必要だと思うけど、それが使えてこそ、だと思う。が、どういうわけか、教師も親もこの繰り返しやらせることには躍起になるが、それを使うということにエネルギーを割かない。米仏ともに、この点では教師の工夫がいろいろ見られて、楽しい。調べたことのプレゼンをさせてみたり、歴史も史実を軽く抑えた後は、その当時を背景とした文学作品を課題図書としてディスカッションしたりと、広がりを持たせている。
カーンアカデミーなどをうまく取り入れて、教師はもっとコーチングの部分に焦点を当てるような教育システムに変わっていかないといけないと思う。