世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

数学教育 日仏米比較~日本が一番いいかな。

先日、子どもが通うフレンチスクールが開催した「数学の米仏比較」の講演会に行ってきた。

カリキュラム

  仏:らせん状

  米:積み木式

  日:階段式

びっくりしたのは、アメリカのシステム。中3で代数、高1で図形といったように、学年ごとに学ぶ内容が決まっているらしい。そして、同じテーマはその後の学年で2度と扱われないとか。えーー、じゃあ、扱う学年でずっこけたら、そのテーマは永遠にわからないままで一生行くということ?巻き返しのチャンスはないってこと?と思ってしまった。日仏は、それぞれのテーマを少しずつ難易度をあげながら、次の学年でも扱うのでちょっと安心。ただ、わが子の話では、フランスの方が復習の時間が長く、ちょっとしつこく感じるらしい。日本は、単元導入の1時間くらいだからちょうどいいのかな。

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教え方、求められる力

  仏:定理を見つけ出すところからスタート。

    練習問題は少なめで、文章問題や問題解決型学習に時間を割く。

    答えよりも問題解決の過程を言葉できちんと説明するところを重視。

  米:基本を教えた後、大量の練習問題。

    たくさんの選択肢の中から、速く適切な答えを見つけ出す式の問題が多い。

  日:定理を見つけ出すように導かれる。

    練習問題は多く、計算と文章問題が半々。

    求められる力は、速さと正確さ>説明能力 

 

と書いてみるとわかるように、日本が折衷案みたいなカリキュラム、教え方になっていて悪くないかもと思うのである。

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ちなみにこの講演会、学校の半分を占めるアメリカ人家族の心配

「フランスの数学は、アメリカより遅れているらしい。」

の不安にこたえるために開かれたもの。

先生たちの説明によると、高3の時点ではどちらも同じ内容を習得することになるが、ある時点では2-3年の遅れがあるらしい。この学校に来るアメリカンファミリーの戦略は、

「小さいころに一つの言語を習得してそれを切り札する。高校に入る時に、アメリカの激しい競争システムに乗り換え、有名大学に進学」

というものらしいので、それだとこの高校教育終了前の2-3年の遅れはネックになるわけだ。校長先生、開き直って、

「フランスのシステムのメリットを最後までこの学校にいて味わってください。どうして、フランスはこんな仕組みを取っていると思いますか?全ての子供たちが落ちこぼれないようにするためです。」

と熱弁していたけれど、激しいアメリカの競争に打ち勝ってきた、そして自分の子供たちをその戦場に送り込もうとしている親御さんには届いていなかったなぁ。でも、私はフランス式に一票、投じたい!