世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

バイリンガルの語彙習得風景

「あ、歩道橋だ!これでしょ歩道橋!」

5歳の娘が興奮して遠くを指差している。

本の中で知った「歩道橋」を初めてコスタリカで出会ったときである。ちなみに、今住んでいるアメリカは、道路が広すぎて、歩道橋は見当たらない。

 

休暇中で、日仏語両方が飛び交う生活でいきなり「ホドウキョウ」という言葉が文脈から離れて飛び出すると、夫も子供たちも一瞬何のことかわからない様子。

 

そこで私「さぁ問題です。歩道橋とはどんな漢字を使うでしょうか?」

 

11歳の息子「…」

フランス人夫「ドウは動でしょ?」

14歳の娘「簡単、答え言ってもいい?

ホは歩くで、ドウは 道、キョウは橋!」

 

夫と14歳の娘は、漢字には意味があるから、音と意味を結びつけて漢字を探すことを知っている。もちろん息子も知っているはずだが、なかなか彼からわからない言葉に出会ったとき

 

「それってどんな漢字で書くの?」

 

と言う質問が出てこない。これが出てくるようになると、語彙も漢字もたくさん増えるのになと思う。根気強く日常生活の中でこんな会話を入れていきたい。

 

このことからもう一つの気づき。

 

やっぱり本を読んで知識を持つことって大事。

 

これまでだって5歳の娘は日本で歩道橋を見た事はあったはずなんだけども、知識がなかったから、特に意識もせず言葉も覚えなかった。

 

「ほんとだね。ママの言った通り。この道路だと歩くと危ないから歩道橋があるんだね。」

 

と妙に納得して、次々と歩道橋を発見しして「あった、あった、またあった」と興奮している娘を見ながら、

 

    知識ー語彙ー体験

 

この三つを行ったり来たりしながら、子供ってどんどん知識や語彙を蓄えていくんだなぁと改めて思った。