大妻女子大学教授の言語学博士 服部孝彦先生の講演を間接的に聞いた。
「第二言語の忘却(second language attrition)」の研究はこの30年ほど前に始まったばかりとか。
どんな風に忘れていくか
- 能動的技能(productive skills)の方が受動的技能(receptive skills)より忘れやすい
- 語彙→形態(不規則な変化形)→統語(語順)→音韻(発音)
帰国した子供たちに共通しているのは、
流暢さがなくなり、それと同時に語彙を忘れてしまうこと
らしい。だけど、
「聞く力」「発音」
は、そう簡単にはなくならないらしい。
どんな要因が忘却に影響を与えるか?
- 熟達度が高い子供は喪失しにくい(決定的閾値仮説(critical threshold hypothesis)
比較的高度な外国語(classroom language)まで達せず、場面に密着した、状況に頼った外国語(playground language) の場合、忘却しやすい
- 年齢が低い子供
- 親の外国語習得に対する態度
何ができるか?
- 読み書き能力がある程度身につくまで学習する
- 親が外国語習得に前向きな姿勢を見せる、子供が外国語学習意欲を持てるよう促す
- 日本にいても大量、質の良い外国語をインプット=本がベスト
服部先生は以下の本も出しているので、読みたい!
うちの場合、フランス語と日本語を高いレベルまで!と決めているので、英語にどこまで時間を割くべきか…上の二人は、もう15歳と12歳なので、このことを話して、本人たちに自覚と選択を促すしかないかなと思っている。
問題は末っ子、6歳。英語力もそんなについていないし、読み書きレベルどころではないし…今でもアニメを英語では断固として見ない。日仏の語彙を貯金できる最後の2,3年。それでも、本人なりに苦労して英語をそれなりに身に着けたわけだし、親として何をしてあげるべきか、悩む。
外国語保持教室というのも、面白そう。
https://www.joes.or.jp/kojin/hoji/info
でも、対象が小学2年生からというところをみると、それ以下の年齢層の子供の語学力をキープするのは難しいということなんだろうなぁ。
逆に言うと、私が手掛けてきた「継承語としての日本語教室」の子供たちも小2レベル以上までもっていかないと、消失してしまうものって考えたほうがいいんだな、と色々考える。