前回の
「継承語としての漢字の教え方研究会」
の定例会でのメンバーとやり取りの中でつくづく感じたこと。
前に、以下の記事で、継承語の子供たちの漢字の難しさについて考えたが
大きな要因は二つ。
① 形が覚えられない
② 漢語(音読み熟語)を覚えられない(そもそも、語彙数が少ない)
①については、「ミチムラ式」がかなり解決してくれたが、②については、今のところ、
地道な努力
長期戦略
が必要というのが私の考え。
今日は、そのうち、私が日々やっている地道な努力の一例。
国語の教科書の音読を聞いているとき。
偏る
が読めなかった中3の娘。 さらっと読み方を教えた後、
「にんべんが糸偏になったらなんて読むと思う?」と質問。
「あむ」
「そう、じゃぁ両方とも音読み同じなんだけど、なんていうかな?」
「はん?」
「惜しい!!「ん」は合ってる。」
「知らない」
「「ヘン」でした。糸へんの場合は、「長編小説」短編小説」とか言うふうに使うんだけど、長く言葉を編んで作った小説が長編小説、短いのが短編」
「…」
「じゃぁ、にんべんのほうの「へん」に、見るを合わせたら、なんて読むかな? 」
「知らない」
「両方とも、音読みで読めばいいんだよ。」
「へんけん?」
「正解!! よく聞かない? 黒人に対する偏見とかさ、女性に対する偏見があるとかさどういう意味だろ? 訓読みは「かたよる」、それに「見る」を合わせるんだから」
「…」
「偏った見方ってことだよね。フランス語だったら?」
「préjugé」
何かと、すぐには乗ってはこないし、「知らない」が続くと、機嫌が悪くなるのが、ティーンの難しさだけど、気長に気長に。