世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

「漢語」語彙力を増やす地道な努力~14歳の娘の場合

前回の

 

「継承語としての漢字の教え方研究会」

 

の定例会でのメンバーとやり取りの中でつくづく感じたこと。

前に、以下の記事で、継承語の子供たちの漢字の難しさについて考えたが

edu-kachan.hatenablog.com

 

大きな要因は二つ。

① 形が覚えられない

② 漢語(音読み熟語)を覚えられない(そもそも、語彙数が少ない)

 

①については、「ミチムラ式」がかなり解決してくれたが、②については、今のところ、

  地道な努力

  長期戦略

が必要というのが私の考え。

 

今日は、そのうち、私が日々やっている地道な努力の一例。

国語の教科書の音読を聞いているとき。 

  偏る

が読めなかった中3の娘。 さらっと読み方を教えた後、

 

「にんべんが糸偏になったらなんて読むと思う?」と質問。 

「あむ」

「そう、じゃぁ両方とも音読み同じなんだけど、なんていうかな?」

「はん?」

「惜しい!!「ん」は合ってる。」

「知らない」

「「ヘン」でした。糸へんの場合は、「長編小説」短編小説」とか言うふうに使うんだけど、長く言葉を編んで作った小説が長編小説、短いのが短編」

「…」 

「じゃぁ、にんべんのほうの「へん」に、見るを合わせたら、なんて読むかな? 」

「知らない」

「両方とも、音読みで読めばいいんだよ。」

「へんけん?」

「正解!! よく聞かない? 黒人に対する偏見とかさ、女性に対する偏見があるとかさどういう意味だろ? 訓読みは「かたよる」、それに「見る」を合わせるんだから」

「…」

「偏った見方ってことだよね。フランス語だったら?」

「préjugé」

 

何かと、すぐには乗ってはこないし、「知らない」が続くと、機嫌が悪くなるのが、ティーンの難しさだけど、気長に気長に。