世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

「きんきゅうじたいせんげん」から漢字の世界に誘う

テレビをつければ、コロナの話ばかり。

時事問題が好きな小6息子、小説とかはほぼ日本語では読まないけれど、ニュースなら見る。

そして、この質問。

 

  「きんきゅうじたいせんげんって何?」

 

すかさず、横にいた中3娘が応えることに、

「字、見ればわかるじゃん、字のまんまだよ!」

「?」でムカッとしている息子。

日本語力、年齢差がある兄弟バイリンガルのあるある日常場面(笑)

 

ちょうど、前日、漢字がたのしくなる本ワーク⑥のこのページを見ていた私は、お、ちょうどいいじゃん、と思って、

  「いい質問だねー!」

と、すかさず私が拾って、説明した。

 

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漢字そのものを勉強して、

  ドリルなどで「持ち数漢字数」を増やすことも大事

だけど、日々のこうしたやり取りの中で、

  「漢字や熟語を見る目をじっくり養う」ことも大事

だと思っているので、その一例として誰かの参考になればと思う。

 

 

 音を漢字に直す

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まずは、片仮名で書いて、漢字に直して見せた。

娘が言うように、これで字が分かればかなりハイレベル。

だけど、息子は音から漢字は導き出すのはまだキツイ。

なので、書いてあげた。

 

6字熟語を意味の切れ目で分ける

 そしたら、「真ん中の熟語はわかるんだけど、後の二つが分からない」

とすぐ言った。

「この長い熟語の切れ目を見つけてごらん」と聞こうと思っていたけど、

  長い熟語はいくつかの2字熟語からできている

ことは理解しているらしい。

「お、よくわかっているじゃん!」

と褒めたら、元気になって

「学校でやった。最初の熟語が次の熟語を説明しているんでしょ?」

と、上の図のように、すらすらと矢印、囲いをした。

 

漢字を示して、そこから意味を推測する

そこまでわかっているなら、

「あとは漢字から推測すればいいんだよ。」と続ける。

この時、「急」→いそぐ のように、訓読みがある漢字は説明が簡単。

でも、高学年に行くほど、

  音読みしかない漢字が増えてくる…

そんな時は、

  その漢字を含む熟語を並べて帰納して説明するしかない

で、この時に

  豊富な語彙がないとアウト

になる。

今回は、息子の語彙力、ギリギリセーフで、日本語で全部説明できた!

 

本人がよくわかる言葉に訳す

意味が分かった後で、

「つまり、○○ってことでしょ?」とフランス語で確かめてきた。

この年齢になったら、

  自分が得意な言葉ではっきり意味がわかる

ということも大切だと思う。

 

上のステップで語彙が足りなかったら、いずれにしろ、得意な言葉に訳して説明するしかない。ただ、当たり前だけど、訳が一対一にならないことが多いし、細かいニュアンスが違うことも多いので、できれば、継承語として教える時は、日本語で教えたいなと思う。

 

そのうち、

「きんきゅうの『きゅう』って、急ぐ?」

「宣言のせんの訓読みって?」

なーんて、質問をしてくれるようになると嬉しいんだけど。

 

「漢字がたのしくなる本ワーク⑥」のレポートも合わせてどうぞ!↓

edu-kachan.hatenablog.com

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