世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

漢字の書き順は覚えるべき?

6年生の特別支援学級に通うお孫さんをもつおばあちゃんの質問。

  「漢字の書き順が間違っているし、言っても覚えようとしない」

のをどうすればいいか?私は逆に質問した。

 

「どうして書き順を教えようと思うのですか?何のために?」

「何のためにって…漢字と言えば書き順をきちんと学校で教わったでしょう?そういうものでしょう?できなかったら恥ずかしいでしょう?」

「この子のためというより、周囲から恥ずかしくないために必要と?そもそも学校は、なぜ書き順を教えるのだと思いますか?」

「…そんなこと、考えたことない。」

「とくに発達障害のお子さんの向かい合うときには、考えた方がいいと思います。」

なぜか。

  • 学校で普通に教わること、方法では、入っていきにくいから特別支援教室に通っているわけで、「普通の方法」は通用しないことが多い。
  • キャパシティが限られている、あるいは特定の方向に尖っていることが多いから、覚えることは本当に大切なことを精選した方がいい。

このおばあちゃんは、言っても教育者ではないから、ある意味仕方ないと思う。でも、背筋がゾッとするのが、学校現場にいても、こういう先生にちらほら出会うこと。6年生になっても、漢字の書き順をやっていたりする。(そういう場合、もう子供の方がそっぽ向いているけど)

言い分はこうだ。

  • 日本では昔からこうやっている
  • 書き順が違うと将来恥ずかしい思いをする
  • 字形が整う

因みに、私は「書き順は大事か?」と聞かれてたらこう答えている。

  小学3年生くらいまでは、ある程度大事。

  毎回違う書き順で書いていると、定着が悪いから。

そのあとは、そこまでの漢字の組み合わせだから、4つの法則さえ教えておけば、そうそう、「恥ずかしくなる」ような間違いもしない。

 

4つの法則(道村先生の「唱えて覚える漢字指導法」にいいページがあったはず。)

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書き順にこだわるなんて、私からすると

  木を見て森を見ず

だ。もっと、他に時間かけたほうがいいことがある。

特に、障害を持った子供には。海外で育つ子だって、

  学ぶ時間が限られている

  自然に漢字に目を触れることが少ない

という意味で、大きな障害がある。