世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

インターナショナルスクールの良し悪し

6年間の海外生活から日本に戻ってきて、インターナショナルスクールに入った長女16歳。もうすぐ1年になる。

本人の言葉から考えるインターナショナルスクールの良し悪しについて書きたい。

 インターナショナルスクールのいいところ

 

  同様な子に囲まれ、精神的な安定を得られること

 

本人曰く

授業中にわからない漢字が出てくるでしょ、でも、全くわからないのではなくて、こんな感じというのはわかるの。そのわかる部分だけ書いて、隣の人に回すと、その人も完璧な漢字はわからないのだけど、ある部分はわかるの。そうやってクラス全体で書き足すと一つの漢字が出来上がる!そういう感覚は初めてで嬉しい。

そういった言語能力面のちぐはぐさといった悩みに共感できるのは、海外補習校で日本人の子供たちに囲まれ、いつも日本語にコンプレックスを持っていた娘にとっては、とても嬉しいらしい。

インターナショナルスクールの悪いところ

それは、ほとんどの子が2つの言語を理解するので、

 

  ちゃんぽんで話すこと

 

フランス語で喋っていても、とっさに言葉が見つからないと、その部分だけ日本語に置き換えてしまう。そして、それが楽なのでどんどんそれに慣れてしまうこと。

 

今まで、私と話すときには、必ず日本語だったのに、フランス語になったり、言葉をちゃんぽんにしたりし始めている。

 

本人曰く、

自分もちゃんぽんに慣れてきてしまっていると感じる。前はそういうのがすごく嫌だったのに。周りがみんなそうだから。東京に来て、自分の日本語がすごく伸びたなって思って嬉しいのだけど、もしかしたら、仲間内だけで通じる日本語力なのかも。

そういえば、日本帰国が決まって一番喜んだのは長女だった。

アメリカでフレンチスクールに通い、英語も学ばないといけない、学びたいという状況下で、自分の日本語力がどんどん落ちていくことに焦っていた娘。

 

マルチリンガルにとって、この

 

  言語間のバランスをとる

 

ということは難題だけど、「やっぱ、ちゃんぽんしないように気をつけよう!」という娘に成長も感じた。

ずっとインターナショナルスクールだけで育っていたら、こうは思わないのかもしれない。多様な場所を経験して、その時その時自分の言葉と向き合う娘を頼もしく思う。

 

私自身もフランス語とちゃんと向き合おうと思う今日このごろ。