漢字を書こう!③~効果のほどは?
漢字を書こう!①②のように約2か月弱の取り組みで進めてきたのだけど、効果のほどは?という話。
なんとなくやっているだけで満足してしまうのだけど、時々立ち止まってその方法がいいのかどうか考えるのは大事。
漢字がたのしくなるワーク①の一番最後は、習った漢字をすべて使った作文になっているので、それを娘にやらせてみた。
で、結果は、約半分書けた。
イマイチ~
できるようになったこと
漢字を分解して知っている部分を探せるようになった
街を歩いていて知らない漢字に出合っても、「あ、父が隠れている(交)」とかいうように。
複雑な漢字でも知っている漢字にどんな部分が付け加わっているのかという視点で見ている。
書き順には一定の規則があることが分かった
横線を右から左に書いたり、縦線を下から上に書いたり、構えを四角のように一筆書きでかくような、のけぞるような書き方はなくなった。
唱えながら漢字を書いている
一画一言のルールに従って書いたり、部首や基本漢字はまとめて言えるようになったりしてる。
もう一息なこと
半分しか書けるようにならなかった
今は先取学習でどうせ学校で何度も書かされるので私自身がゆるゆるでいいという気持ちでいたのがよくなかったのかもしれない。
でも、4か月で100字程度読めて、2か月でうち50字書けるようになったのを良しとすべきかも。
細かい部分で間違える
残りの50字も全くわからないわけではない。「耳」の斜めに上がる横線が出ていないといった、惜しい間違いもある。
基本の100字はこの後、いろんな漢字の元になるので、正確に覚えてほしいと思ったとき、やっぱり
もう少し書く数を増やす
方がいいかも。今は1~2個なので、4~5個くらいまで。
文の中で使うのは難しい
そうか!と思ったのは、漢字単体を知っていても、文章の中で言葉を漢字に変換するというのはまた一つのハードルだということ。
書ける漢字でも一人でやっているとできないという。
その理由は二つ。
読むということに精一杯
音訓読みのどちらか一方を知らない
「これ、書けるんじゃない?」と促すとかけたり、「あ、これ回るじゃないの、回(かい)とも読むんだ」
といったりした。
まあでも、日常生活以外にも机上のドリルで漢字にいろんな出会い方をすることで、「あ、こんな使い方もあるんだ」と体得していくのかもしれない。
次の一歩
漢字アプリで目先を変えて書きの数を増やす。
漢字かるた、書きを意識したルールで遊ぶ。
平仮名で書かれたもの中で漢字で書けるもの探しをする。
ミチムラ式カードに挑戦する。
の4本立てでやってみる。
あの手この手で、諦めないぞ~!
漢字を書こう!②~毎日コツコツ続けるコツ!
小1の娘が100個ほどの漢字が読めるようになったので、「書き」に挑戦している話の続き。
2か月たって、よくよく分かった、当たり前のこと。
書けるようになるって時間がかかる!
しかも、何となくこんな感じというのは書けても、正確にとなるともうそれは大変。
そして、急に、
漢字って面倒くさい
という風に(涙)
それで、そういう時にやった手変え品替え軌跡をここでは紹介したい。
習慣化する
最初は、まだ1年生だし、気が向いたときにぽつぽつやっていったらいいかなと思っていたのだけど、
ぽつぽつやっていると身につきにくい(前のことをすぐ忘れている)
本人の気が向いたときに、私の時間が合わないことも
なので、早々に、
毎日コツコツ短時間
一週間5日一日15分
基本のルーティーンを親である私が決めた。
こういうところ、つまり、
環境を整備
するところでは、親の権限を発動した方がいいと私は思う。
それができるのは親だけで、長い目で見たときに必要なことだから。
ちなみに、一週間5日というのは子供に言わない。子供には、毎日という。
けど、疲れている日は力抜いてもいいよね~お互い、というスタンス(笑)
勉強することが普通の状態を作ると、時々
今日はなし!今日はゲーム!今日は日本語のマンガ!
というのがご褒美になる。そうでないと、そういう楽しいものにしか食いつかなくなるし、
勉強に向かうまでに時間がかかる。
進歩とゴールが見える仕組み
漢字を子供が嫌がる一つの理由が
ゴールが見えにくいこと
ドリルが好きな子とかだと、一冊隅々終わらせることにモチベーションが働いたりはする。
でも、本当は、ドリルを全部やらなくてもいいというのが私の考えなので、
今回は、「漢字がたのしくなるワーク①」の中から、私が必要だと思う
一字一字書くページ
お遊び気分でできるページ
の両方を抜粋して、小冊子にした。量にして半分くらいになるかな。
そして、表紙にシール表を付けた。全部たまったら、本人の好きなご褒美というニンジンつきで!
子供に選択権を
「書き順」の基本のところは、最初にやったけど、あとは、「自然」「体」などカテゴリーごとになっていて、どこから始めても変わらないので、
本人にやりたいページの選択権
をあげていた。この
自分で選ぶ
というひと手間、意外と大事。やらされ感がだいぶ減るし、本人も楽しいことと大変なことを自分の体調や気分に合わせて調整しながらやっていた。
「親の権限」と「子供の選択」をバランスよくやるといいと思う。なるべく、子供が選べるところは選ばしてあげるようにしている。
地道に頑張らないといけないページ
ゲーム感覚で楽しくできたページ
書く道具を工夫するだけで
基本は、ワークに書き込んでいくのだけど、いろいろなバージョンも用意した。
空書き
ホワイトボード
模造紙
カラーペン、筆ペン
など。
気分を高める小道具
だけど、時には、「鳥」など画数が多い字を書く時には、
マス内に収めるというプレッシャーを和らげる
ために、意図的にやることが必要。
別の場所に書けば、ワークに書き込まなくてもいいことにした。
こんな風にやりながら、今まで教室で、いきなり教えて書かせて、マスから出るな、とめはらいをしっかり!と要求していたことって、かなり乱暴だったなと思う。
まあ、それでも日本に住んでいる子なら8割方できてしまうのだけど、そりゃ、楽しくないだろうな、必要だから仕方なくやっている、親もやらせているんだろうなと思う。
それが海外育ちの子、バイリンガルの子だとそこがそういう風にならないので、工夫が必要。
というわけで、
習慣化と小ワザ
の話でした~。
漢字を書こう!①~書きの初めの一歩
漢字で遊ぼ!シリーズで紹介したように、娘小1は、4月から2ヶ月くらい遊びながら漢字に親しんでいた。
小学校1~2年生で習う100ほどのこの2か月くらいで漢字を8割がた読めるようになってきたので、ギアを1つ挙げて、「書き」に挑戦することにしたのが、6月後半。
約2カ月位、娘と取り組んだ途中経過をシリーズにまとめてどなたかの漢字の書き指導のヒントになればと思う。
指導の方針
- 細かいところにこだわりすぎない、100%書けるようにと思わない
- 唱えて覚えるという習慣をつける
- 書き順の大きな規則をつかむ
大きな流れ
- 漢字がたのしくなるワーク①に沿いながらも、ドリル的なページとゲーム要素が含むページを抜粋する。
- 1日15分、週5日くらいのペースで無理なく、でもたゆまず続ける。
指導時に気を付けたポイントと気づき
- 書き順の基本
細かい書き順にはこの先こだわらない代わりに、最初のところで書き順の基本はばっちり入れるように気合を入れた。
① 上から下
② 左から右
③ 横が先、縦はあと
④ 中を先に
⑤ 左に行く斜め線が先
⑥ 外が先
⑦ 貫く線はあと
⑧ そことじは最後
などをはじめに押さえて、あとは、漢字を書いている様子を見て、間違えているときはこの原則を思い出すように声をかけた。
夏休み中で横にいてあげられたのでそれができたが、慣れるまで表を作ってファイルの初めに貼り、そこに自分でそこに戻れるような仕組みを作るとよかったと思う。
- 新出漢字との出会い方
一回大体4-5字のペースで取り組んだ。ワークブックに沿って、
① カルタの読み札を読む
② 取り札漢字とマッチング
③ 漢字の中に隠れているもの(片仮名、知っている漢字)を見つける
④ かき順を予想⇒正しい書き順を確認
⑤ 唱えていってみる
⑥ ワークブックに書きこむ
⑦ 今日の学習が全部終わった時にホワイトボードに書く
①②でいいのは、
読み札を読むことで読みの練習になること
自然に漢字の成り立ちを理解できる
読み札にはフリガナがないので自然に予想
わからなくてもすぐ下に答えがあるので自分でできること!
ただ、海外育ちの子供の場合、この読み札の内容がすっと入るかは微妙。子供の日本語力によっては、この部分をもう少し丁寧に現地語を入れるか、アニメーションを入れるかなどの工夫が必要。
③で気を付けたのは、知っている部品に注目させること。
これは、二つの点で効果がある。
難しくない、できると感じる
書き間違いが減る(=消す労力がない分やる気をそがない)
漢字を分解合成する視点をもつ
この段階を省くと、以下のように「青」を書いてしまう。
④については、予想することで学びが主体的になる。いきなり正解を教えられ覚えさせられるより身につく。
間違えたら、「書き順の法則」に戻る
あっていたら、褒める
段々、間違わなくなってくるので、そのことを褒めてあげるといい。
⑤で特に気を付けたのは、
一画一言を原則にした線の唱え方
例えば、口の二画目を間違っても、「横、縦」と言ってはいけない!これは「カギ」に統一した。
また、このシリーズでは、「十のかくべえ」と言って、漢字のすべての線を10の線に言い分けるのだけど、私はこれを採用しなかった。なぜなら、一つの言い方に色々な言い方があるので、子供が混乱すると考えた。
ミチムラ式を参考に子供と以下のように、唱え文句を決めながら進んだ。
これも表にして少しずつ書き足し、子供が見えて振り返られる場所に貼っておくといいと思った。
また、段々、学習が進んでくるにつれて、唱え方を
線からパーツにステップアップ
していった。
例えば、「貝」を「たて、カギ、よこよこ…」というのではなく、「目、ハ」というように。
既習漢字はまとめて言う
子供が初めてそれを言い出した時には大いに褒めて、その後気づかない時には、「知っている漢字が隠れているよ~まとめていってみて~」と声を書けるといい。
また、「うけばこ」「うかんむり」「どうがまえ」など、頻繁に出てくるパーツは
部首名を教えて、それでいう
ようにした。
最後に、漢字がたのしくなるワークのいいところは、
カテゴリーごとに漢字を学べること
教科書のように、五月雨的にいろんな漢字をランダムに覚えるより、海外で育つ子供には、「体の部位」「動物」といったカテゴリーごとの方がつながりをつけて覚えやすいし、部首の学習にもつながるかなと思う。
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漢字の指導、スモールステップ踏む
漢字は
形、音、意味
の3つの要素を持つ。
当然この3つを相互に絡めあって覚えなければ漢字の習得する意味も無いし、そもそもなかなか入っていかないであろう。
例えば、「打」という字、
てへん+ちょうという形
「うつ」「ダ」という音
「打撲」「打率」など「うつ」という意味はもちろん、「打診」「打開」など動詞の語調を整える働き
など、三つの要素のどれかだけを教えてもあまり意味はない。
でも、マルチリンガル漢字指導研究会のみんなといろいろやってるうちに、
この3つを同時にやろうとしすぎたかな
と気づいた。入りやすいものからどんどん入れて
8割方知ってるという状態を作って
いって、残りの2割はぼちぼち埋めていくほうがいいのかなと。
なぜかというと、その方が
子供も学ぶ意欲が持ちやすいから。
そこで提案したいのが、SS漢字指導法と段階ごとに
SS漢字指導
1つ目のSは、スモールステップ。
もう一つSのは、スパイラル。
例えば、これまで補習校や日本の学校では、新出漢字の指導を、
形(書き順まで丁寧に)を教え、
音(読み方、音君まで)を教え、
意味(熟語をいくつも示し、漢字本来の持つ意味に気づかせるなど)を教え、
それを使えるようになるために短文作り
というように一気にやってきた。
一定のレベルの日本語力を持ち合わせる後にとっては、このようなやり方がうまくいくのだと思うのだけれども、
単調になりやすいし、日本語に十分に触れてない海外育ちの子には負担が大きい。
なので、この三つの要素を子供の状況に応じて、スモールステップにしたらいいと思うのだ。
具体的な話は小1娘への漢字指導の取り組みについて紹介する次の記事を参照してほしい。
「漢字で遊ぼ!」シリーズ①~ 既に書いているので「漢字学習」のカテゴリーを参照
「漢字を書こう!」シリーズ~ これから書く予定
たとえ3要素全部を一気に扱ったとしても、それぞれに
軽重をつけ、今の段階ではこれだけ抑えれば良い
というのは教師の方が明確に持っていくといいと思う。
そして、教える側は一気にインプットして自己満足するのではなく、
スパイラルに何度も扱うことで
インプットしたものが少しずつアウトプットできるように
考えていけばいいのかなと。
各段階での指導キーポイント
マルチリンガル漢字指導研究会では、子供の漢字習得を大きく3つの段階「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」と考えている。
ざっくりいうと、小学校「低学年」「中学年」「高学年~」だけど、学年配当漢字で区切っているわけではない。
それぞれに指導の重点ポイントがある。
後は、漢字の習得レベルによっても重点を置くべきところが違うと思う。
私は、形→音→意の順番で漢字の習得が難しいと思っている。なので、
小学校の低学年の漢字レベルで形
中学年のレベルで音
高学年のレベルで意
それぞれ重点的に攻略していく必要があると。
つまり高学年の漢字で漢字の形を覚えられないなんと言ってることがないように、一画一画の書き順を教えているなどということがないように。
また、高学年になったら、新出漢字の読み方や意味の推測くらいができるようになってるように。
海外で日本語を教えていると、あれもこれもやらなくちゃいけない!時間がない!悪循環で
どんどん詰め込むだけに陥りがち
だけど、こんなふうに長いスパンで俯瞰すれば、その時その時必ず抑えなくちゃいけないポイントが見えてくる。
そのポイントを押さえつつ、臨機応変に子供たちの興味関心に寄り添いながら授業をして行けたらと思う。
あわせ漢字ビンゴゲーム①、使ってみました!
今回試した教材はこれ!
お勧め対象児
- 小学2年生後半あたり~
- 基本漢字をほぼ習得し、会意文字に入ったあたり~
- 部首名を覚えるころ
使う目的
- 漢字は部品の分解合成でできているという目を鍛える
手順
- 合わせ漢字ビンゴゲーム①には、「左右型」と「上下型」の二つのタイプのゲームが用意されているのでどちらかを選ぶ。
- 左右型なら、「へん」か「つくり」かのどちらかのカードを先にビンゴカードの上に並べる。
- 残ったカードの山から順番にカードを引き、当てはまる漢字のところに並べていく。普通のビンゴゲームと違い、みんなで一つビンゴ表を共有する。
- 自分が部品を埋め込んだときに、ビンゴになれば、ビンゴカードをもらえる。
- 既にビンゴになったところでも、別のパーツを入れ替えることができれば、それでもう一度ビンゴをもらうこともできる。
気づいたこと
- 意外と幅広い年齢層で楽しめる!
中1、小6、小3、小1でゲームをやったが、大きい子でも、意外と二つに分かれていると漢字が思いつかなかず、やりごたえのあるゲームとなった。すべての漢字を知っているわけでない小1の娘も、難しいかなと思ったけれど、ゲームに付属しているカードを見ながら、一生懸命当てはまる部品を探し出し、一緒に楽しめた。
今回試した漢字ビンゴゲーム①は小学校2~3年の漢字なので、ビンゴゲーム②も同じか試したい!
- 上下型の方が難しい!?
子供たちには「上下型」の方が難しい様子だった。なので、始めるのは、「左右型」からがお勧め。
- このゲームのたのしいところ
普通にビンゴゲームとしても楽しいが、既に置いてある部品を取り除いて新しい部品を載せる事ができて、それがビンゴに繋がったりするところだ。
例えば「丁」と言う部品は、てへんにも、金へんにもつけられる。「打」「釘」
先に、「打」という漢字でそのマスが埋まっていても、「釘」に置き換えることもできるのだ!漢字を多く知っていると、ビンゴの回数が増えるという仕組み!
- ゲーム性を高める一工夫
ただの偶然で勝ち負けが決まるビンゴゲームではなく、もっと戦略を持ってゲーム性を高めるには、カードの山からカードを取るのではなくて、先に1人ずつにカードを配っておくと良い。
- 部首名の勉強、復習になる
やりながら、子供たちは無意識に部首名を連呼する!ので、知らない子には勉強になる。指導者も負けじと、意識して部首名を刷り込むとよい!!
次は、これを試したい!
98部首かるた②〜手に関する部首
前回に続いて、98節カルタを使って、手に関する部首の導入にチャレンジした。
お勧め対象児
- 小1~2年生の基本漢字、会意文字の仕組を大体わかった子
- 小3~小4で漢字が覚えるのが難しくなりつつある子
使う目的
- 蓄えたバラバラの漢字の知識を部首という視点で整理して、漢字を部品の合成分解という視点でとらえなおすこと
- 漢字の部品(部首)には、意味があることを理解する。
手順
①手に関わる部首カルタの取り札の本を見せて、知っている部首はあるか聞いてみる
②古代文字に注目させ何か気づく事はないか聞く
「てへん」と「つめかんむり」はわかりにくいので、脇によけておくと良い。
「ヨ」に似た形がどの字にもあることに気づくはず!
③古代文字の共通の部分が何を表しているか予想する
この「ヨ」に似た部分は何をあらわしているかな?と言いながら
取り札と背中あわせでくっつけてある読み札を順にめくっていく。
これはすべて、手に関する部首だということに気づく。
それぞれ、形、部首名、どんな漢字に今使われているかを確認する。
④ゲームで遊ぶ
教師がジスチャーで表したカードを取る
子供がジェスチャーをして教師がカードを取る
読み札と取り札をセットにした神経衰弱で遊ぶ
普通にカルタ遊びをする
小1娘に試してみました!
気付き
- 前回は体、今回は手というように、カテゴリーごとに導入していくのが、枚数的にも、共通点、差異点を意識するのにも有効と感じる。
- 子供自身が「つながり」を発見できるような発問を投げかける。
- いろいろなゲームをして目先を変えて飽きないようにさせながら、部首の意味、名前、形に接触する回数を多くするとよい。
- 無理のない程度に、この部首が使われている漢字に触れることで、「意符」としての部首の意味に少しずつ慣れることができる。
部首指導が必要なわけ
部首名と形を覚えることは、小学校3年以上の
複雑な形の漢字を部品の合成と捉えて、唱えて覚えることを可能
にするから。
唱えて覚える漢字カード、「ミチムラ式カード」は、小学校3、4年生位から威力を発揮すると感じているが、その前提として漢字の部首(部品名)を覚えておかなくてはならない。
それが、海外で育ち子供にとっては、漢字を覚える上に、さらに別のものを覚えなくてはいけないというように捉えられて、うまくいかないことが多かった。でも、こんな風に1,2年生の頃から遊びながら部首に触れていれば、抵抗なく導入できるのではないかと思う。
98部首かるた①〜体に関する部首
手元にあるものの使う対象がおらず、眠っていた98部首かるた。
小6甥っ子(自閉症スペクトラム障害でやや知能に遅れがある)のために使ってみることにした。うちの小1の末っ子にもまだ早いかなと思いつつも一緒にやってみた。
お勧め対象児
- 小1~2年生の基本漢字、会意文字の仕組を大体わかった子
- 小3~小4で漢字が覚えるのが難しくなりつつある子
使う目的
- 蓄えたバラバラの漢字の知識を部首という視点で整理して、漢字を部品の合成分解という視点でとらえなおすこと
- 漢字の部品(部首)には、意味があることを理解する。
このカルタの作り
このカルタは、全部で10種類のグループに98部首が分けられる。
その中で、今回は「体」からできた部首カードを取り上げることにした。
大きな流れは、
導入--記憶--ゲーム
である。
手順
①今日は漢字のパーツである「部首」勉強することを伝える。
②大きな紙に簡単に体の絵を描き、そこにそれぞれの部首名を読み上げながら置いていく。
この時、読み札と取り方を背中合わせにクリックしておき、
裏を見せたりその説明を見せたり)しながら並べる。
(自分もカンニングできる!)
③場所をよく覚えるように行って少しお時間を取った後、カードを集める。
④カードをもう一度考えながら元の場所に子供に置かせる。
教師は、横で部首名をつぶやくようにする。
子供はわからなければ、裏を見てそれをヒントにしながら考える。
⑤読み札と取り札をバラバラにしてゲームとして遊ぶ。
神経衰弱
カルタ取り
実際の子供とやったビデオは、「真っすぐ並べるこだわり」逆らえなかった甥っ子のために、脱線したため(笑)、後で一人でとりなおしたビデオをどうぞ!
子どもと一緒の時は、子供が絵に色々書き足したがったりするので、それも楽しみながら一緒にやりました。
気付き
「部首が表す意味」と「部首名」に焦点を当てて、後はとにかく
楽しく遊ぶこと
に徹した。
小1娘にはまだ早いかなと思ったけど、覚えさせようと思わなかったのがよかったのか、娘はゲームとして楽しんだ。その後、日常生活で知らない漢字に出合っても、
「あ、この部分知っている!」
とか言うようになった。こんな風に、「この漢字習っていない、知らない」ではなくて、
少しでも知っている漢字の部分に目を向ける姿勢
が身についてきたことが何よりもうれしい!
甥っ子は日常的に変化を見てあげれないのだけど…毎回会うたびに、ごそごそと漢字グッズを出してくる私に慣れてきて、嫌だ!と言いつつ(笑)嫌がらずに、漢字遊びをするようになってる。
使い方次第で、導入にも定着にもゲームにも復習にも使えるこのカルタは、本当にお勧め!
ただ、海外在住の子供たちにはやはり、読み札の日本語が難しいかも。