前回、アメリカで皆がPTA活動に熱心な理由の一つに
情報収集
と書いた。では、一番欲しい情報は何か?それは、
子供の学歴形成のための情報
日本では大手予備校がそういう役割を果たしているのだろうけど、ここにはそういうものがないし、欲しい情報がお金を払って手に入れられるというわけでもない。
なぜなら、アメリカの大学で求められるのは、
ユニークさ
だから。もちろん、日本のように知識量も問われるが、それは同じ問題をどれだけ速く、多く、正確にといったものではなくて、
尖ったところ
を求められている。外国語をいくつ、どんな外国語をマスターしているか。どこかの分野で突出している能力はないかなど。
加えて、
スポーツや音楽など芸術系の活躍
際立った奉仕活動の経歴
も大学入学試験の選考では重視されるらしい。
それでもって、これらの中でどこに重点を置くかは、学校によって違う。それぞれ大学が「求める学生像」を持っていて、学生が提出する膨大な資料の中から、試験官が判断する。
つまり、目指すべき方向が一つではないから、情報、場合によっては人脈はとても大事なのである。各学校には、進路指導のプロ
進学カウンセラー
がいて、このカウンセラーの知名度や生徒数に対する割合などが、私立学校の売りになっていたりもする。
が、いずれにしろ、親が先頭に立って、情報を取りにいかないと、受験戦争には勝てないというのが、私の理解。
こういう選抜方式をみると、公平性を重視する日本人としては違和感があるが、アメリカ人に公平に対する考え方がまるで違うことに気づく。
アメリカではとにかく、情報を公開することが求められるので、どの大学もサイトはもちろん、大学説明会などで「求める生徒像」を明らかにしたり、自分たちが提供する教育を明言したりする。それを取りに行くか行かないかは、親や生徒次第というスタンスなのである。
誰からも不平が出ない選抜規準にこだわりすぎて、数字で測りやすい知識に評価が偏りがちだった日本の大学入試も2020年にだいぶ変わるのかな?