世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

東京でダブルスクールに挑む!

6年ぶりに日本に帰ってきた。

一番の関心事は、もちろん、子供たちの教育。

私たちの決断は、フレンチスクール + 地元の公立学校の

  ダブルスクール

私は基本的には、地元の学校に通わせたい。ただ、国境をまたいで動き回る我が家。15歳の長女のことを考えると、「主となる言語」をその都度変えるのは酷だし、リスクが高すぎる。なので、東京国際フランス学園に入れることに。以前に記事に書いたが、ここには、高いレベルで日本語力を伸ばすカリキュラムも用意されているので、日仏両言語を読み書きできるレベルまでという目標を掲げてきた私たちにとっては願ってもない環境だ。

でも…これはあくまでも欲なのだけど…

  普通の日本人社会、日本の学校文化を体験させてあげたい

と、小から大学まで公立で過ごした私は強く思うのだ。

日本に住んでいたら、これまでのように夏に私の母校で体験入学というのも難しくなるだろう…ということで、見つけた選択肢がこれ!ダブルスクール。

フレンチスクールに通いながら、学校が休暇の期間に住民票を置く学区の学校に通わせてもらう。

正直、こんなことが可能だとは思わなかった。

正確に言うと、東京でもダブルスクールが可能な区とそうでない区があるらしい。

というわけで、我が家の東京でに家探しは、

  ダブルスクールを認めてくれる区

というのが、優先度の高い条件となった。

幸い東京国際フランス学園は、北区、豊島区、文京区、板橋区のちょうど境目くらいに位置するので、この4つの中から選べる。

で、結論を言うと、認めてくれるのは、北区と豊島区のみ。

面白いなと思うのは、受け入れない二区は断固として拒否なのに、受け入れる二区は、かなりウェルカムで「日本国籍を持っているなら学籍をおいて、休暇期間中は、一日でも多く学校に通ってください」 という。隣り合わせの区でもこんなに受け入れ方が違うのは、驚きだ。区の教育方針の違いがこうした政策の違いに大きく影響しているはず。それが何なのかはまだよくわからない。

実際の登校に関する詳細は、受け入れ校の校長判断ということで、早速、子どもを連れて、学区の小、中学校にあいさつに行ってきた。

どちらも晴れて登校を認めてくれることになり、万歳!!!

半年以上にわたる時差を乗り越えての調査、家探しが実を結んだ瞬間

(って大げさ(笑))

 

因みに、認めないと言われた区も、適切な理由があれば例外措置があるらしい。知り合いで、何度も教育委員会に足を運び、交渉を重ね、認めてもらった人もいる。

ただ、私個人的には、

「無理やり入れてもらってもお互いにとっていいことがないから無理強いしないこと」

をモットーにしている。

「税金をはらっているんだし!!」という言い分も聞くけど…

学校ベース、クラスベースで考えたとき、うちみたいな子供が不定期に学校、クラスに入ってくると、

  学級経営に少なからず波風をたてること

  一年に数週間しか通わないのに学籍等の書類業務が増えること

を考えると、

  断られても仕方ないし、受け入れていただいたのは本当にありがたいこと

と、私は思う。

そうした煩わしさをも引き受けて、受け入れてくれるのは、

  マイノリティの権利を大事に考えている

  異質さ、多様性を日本の同質性に支配された学校、クラスに一石を投じる

くらいのポジティブな意味を見出してくれているのかなと思う。

なので、うちの子も、親の私も、感謝の気持ちをもって、それに応えられるように頑張りたい。