世界の学校から

風来坊が綴る、世界の教育現場のあれこれ

継承語教育、結局コツコツ積み重ねるしかない

昨日、小六の息子のサッカーの試合で1日、他のお父さんやお母さんと雑談する機会に恵まれた。中に、日本20年以上住み、

  子供は小学校6年生までは日本の学校に中学から東京国際フランス学園

に入れているというお母さんがいらした。

ご自身が、教員で、横浜のインターナショナルスクールでフランス語を継承語、外国語として教える傍ら、この学校に入るまで、自分で息子にフランス語教育をしていたと言う。私がこれまでやってきた「海外で日本語を継承語を教える」の逆バージョンなので、興味深くお話を聞いた。

 

日本語を継承語として教える時、高いレベルまで持っていけるかどうかの試金石は、

  小学校中学年の漢字を乗り越えるかどうかにある

と思っているが、フランス語を海外で教えた場合どうなのかなと思って聞いてみた。

 

難しいのは、

  正確な綴り

  語彙の豊富さ
2つだそう。

ヨーロッパは、アルファベットを覚えればいいだけではないかと思われるかもしれないが、その組み合わせでいろんな音を作るので、聞いただけではなかなか正確な綴りができないのである。

例えば、この前小学校1年の娘の宿題を手伝っていて気づいたのだが、「エ」を書いてといっても、「est」「et」とがあり、文脈によって正しい方を選ばなくてはならない。

 

語彙の豊富さは、言うまでもないが、日常生活で使われる言葉は限られているので、意識的に語彙を増やさない限りは増えていかないという。特に、

  学習の中で使う言葉は特別

で、去年フレンチスクールに入学した時は、算数の問題の指示がわからずに、かなり苦労したという。

 

じゃぁ、どんな対策をしてきたかと聞いたら、

 

  ディクテ(聞き取り)

  読書→わからない言葉をピック→辞書で調べる→週に1度はその単語帳を見返す

だそうだ。

 

それで私は思ったのは、タイトルの通り。

  結局、何語であっても、一定のレベルを超すにはコツコツやるしかないんだなぁ。


やや、無味乾燥した勉強かもしれないけれど、こうしたコツコツした積み重ねがあるからこそ、フランス語や日本語のプールにちゃぽんと入れた時に、苦しいながらも水の中から顔出すことができるのだと思う。

ただ、味がない、でも、エネルギーになる白いご飯でも

  ふりかけ

をかければ、ご飯が進む。


私がファシリテーターを務めさせてもらっている、

www.learnjapanonline.com

でやれるのは、

  低学年は、白ごはんをチャーハンやカレーライスにまで加工してあげること

  中学年からは、いろんな味のふりかけを用意してあげること

なのかなと、ぼんやり見えてきた。