日仏バイリンガル
「善は急げ」ということで?新学期が始まった地元公立学校に昨日から早速通わせていただいている小6の息子。私も一緒に始業式に参加させてもらった。 校長室から、細い階段を通って、隣接する体育館へ。「やっぱり東京だな」と思うのは、 いろんなものがコン…
大妻女子大学教授の言語学博士 服部孝彦先生の講演を間接的に聞いた。 「第二言語の忘却(second language attrition)」の研究はこの30年ほど前に始まったばかりとか。 どんな風に忘れていくか 能動的技能(productive skills)の方が受動的技能(receptive sk…
夏から日本に移住することを一番喜んでいるのは、14歳の長女。理由は、 落ちていく日本語力を取り戻したい 補習校で日本から来ている友達とのやり取りの中で、ひしひしと 語彙力の乏しさ を実感するようだ。自分は稚拙な言葉しか知らないと。 この前も、「ど…
子供の成長には、 飛躍の瞬間 というのがあると思う。 教育に携わっていて、これを間近で見れる機会に恵まれている。そしてこれが好きで、この仕事を続けているのだと。 昨日の夜、娘が、初めて「文」を日本語で読んだ。 私がPTAの仕事でパソコンに向かって…
結論から言うと、日本の教科書に沿ってやるにしても、 日本の国語とは違う って考えた方が良いと思う。 日本の国語は、人物の気持ちの移り変わりを懇切丁寧に追ったり、筆者の意図をああでもない、こうでもないって考えたり、 精読 を目指すけど、ざくっと内…
前回、娘には読み聞かせをたっぷりした話を書いたが、正直、2番目の息子はその半分にも満たなかったと思う。なぜか? 私が子供が2人になって、物理的に時間体力が半減してしまったこと 息子はお話を聞くより、動き回ることの方が好きだったこと 息子の反応が…
夏に引っ越すことになったので、断捨離を始めている。 いつも、本が捨てられないのだけれども、 3年間読まなかった本はもう読まない、いざとなればまた買える と思って、心を鬼にして処分を開始している。 でも、どうしても手放せない本が何冊かある。それは…
年末、英語が伸び悩んでいるなぁと思って、コミュニティティーカレッジの英語の先生にアドバイスを求めた。 乱読、多読 というのが先生の答え。 これって、私が日本語を学ぶ子供たちにいつも言っていることではないか! そして、はっと気付いた。 忙しさにか…
疲れる→頭痛、猛烈な睡魔 ということになる。 先日、子供たちが通うフレンチスクールで面談があった。 この面談のやり方が面白い。 1ヵ月位前に、PRONOTE というアプリを通して先生方の一覧表が送られてくる。 それぞれの先生と面談したいかどうかを3段階で…
あまり本を読まない、理系頭のわが息子(現在小5)から、 補習校でどんな活動をしたときに、漢字の定着率がいいか を考えてみた。超主観的定点観測である。 ① 友達とワイワイ楽しく漢字活動をしている時間が毎週1時間ある 週1の補習校で、1時間漢字に割くと…
昨日は、learnjapanさん主催の道村先生の漢字セミナー、8回中第5回だった。 前回の宿題、 盲学校での漢字学習の様子を収録したNHKの番組をみて感想をかく ことを受けて、先生は、視覚障害児と海外在住児の共通点として次のようなことをおっしゃった。 会話は…
おふろを たくための ねんりょうとしての きぎれを あつめに いった これは、日本の小学校中学年の国語の教科書に出てくる文である。 5年生のわが息子にこれを上記のようにひらがなで読ませると、意味が分からない。 「ねんりょう」と「きぎれ」という言葉を…
昨日、子供の通うフレンチスクールで、 中等教育修了認定証(Diplôme national du brevet) についての説明会に出席。 平たく言うと、 中学校終了時に、それに相応する実力を身に着けています ということを国家が認定する試験で、義務教育の集大成として全員…
「あーあ、こんなに伸びちゃって~」っと言いながら、 パチン、パチンと爪を切る。 「でも、ママ嬉しいんでしょ?」 「うん!」 「私が爪を噛まなかったから?」 「うーん、一つ大きな壁を乗り越えたってっことだから。頑張ったね。」 3歳で渡米した娘は2年…
思いのほか、シリーズが続いたけど、今日で最後。 水田さんがお勧めする ①海外で英語を習得する方法 ②海外で日本語を保持する方法 ③帰国後、英語を維持する方法 のアドバイスをまとめておきたい。 ①海外で英語を習得する方法 小5以上で移動したときには、初…
昨日に引き続き、バイリンガル、バイカルチャーに育つ子が長期に「外国」に滞在したときにぶつかる壁。 水田さんの場合は、ご両親が日本人で駐在で在米だったけど、国際カップルは「外国」という言葉が、琴線に触れてしまうかもしれない。それはさておき、共…
第3弾は、二つの言語の狭間で幼少期を過ごし「バイリンガル、バイカルチャー」になった子供たちがその後ぶつかる壁。 日本に帰国となった場合 ① 同調圧力の強い社会での世渡り これはもう言わずもがな…なのですが、その強さは日本国外に出た人にしかわからな…
昨日、バイリンガル育児はかっこよくも、楽でもないことを書いた。 水田さんの講演の中で親の負担を具体的、端的に示してくれ、ふんふんと頷いた。 ①子供も親も学習に2倍の努力、時間が必要 ②レールがないために決めることが多い ③どちらの言語も100点にはな…
少し前になるが、水田早枝子さんの講演 お子様の視点から考えるバイリンガル教育セミナー に参加してきた。 この水田さん、ご自身が帰国子女、その後、東大、ハーバード大学と華麗なる経歴を持ちながらも、自分が二つの言葉、文化の間で苦しみ、でもそれを宝…
年末、二つの微妙に意識が異なるお母さんグループと楽しいひと時はを過ごした。 ① 補習校の先生をしていて、子どもの日本語教育に熱心。 ② 補習校に行かせないという選択をして、子どもの日本語教育は楽しくが一番。 まあ、実際にはそんなに①と②とはっきり分…
だいぶ時間がたってしまったが、道村先生の漢字学習セミナー二回目の報告。今回は、漢字学習に躓く二つ目の理由の一つ。 音読み ということで、なぜ音読みが難しくなるのかという話でした。 訓読みがない音読みのみの漢字は、イメージがつきにくく、定着しな…
先日、唱えて覚える漢字学習を推奨している道村静江先生のセミナーをオンラインで受けた。先生の本は、熟読しているのだけど、やっぱりオンラインと言えでも、直接お話を聞くことで目や耳が働き、新たに学んだことがあった。 唱えることの威力 「憂鬱のうつ…
末っ子の「同音異義語」の話から、長女が5歳だった頃を思い出した。 当時フランスに住んでいた。ある日、 「ママ、tirelireって日本語でなんて言うの?」 「貯金箱だよ。」 しばらく沈黙の娘、そして、閃いたように、 「ああああ!なるほど!ちょきんって、…
上の二人の運動会に5歳の末っ子も応援に駆け付けた。 全学年で大玉転がし あまり気にしていなかったのだけど、幼稚部から高等部まで一緒に運動会をするので、開会式、閉会式には、結構難しい言葉を始まりと終わりの校長先生、役員の方の口から発される。 娘…
日本語補習校の運動会があった。 毎年、楽しみにしている我が家の子供たち、なぜか週の初めあたりから元気がない。 「足が痛くて走れない」「あまり期待しないでね」などと弱気。 当日の徒競走で、二人とも4位。これまで、いつも1位、2位だったので、本人た…
シリーズで書いている「唱えて覚える漢字指導法」を読んで考えたこと。 私にとって一番よかったのは、 どうして漢字学習が難しくなるのかを、学年段階を追って把握できたこと。 普段の生活で漢語をほとんど見聞きしない子供たちにとって、 3年での音読みの導…
漢字は難しいに決まっている と、日本語を学び始める人はみんな言う。多分、私がアラビア語を見て、どこで切れているのかわからないと思う気持ち、フランス語を習い始めた時、動詞の活用に途方に暮れた気持ちになるのだろう。 ただ、海外で暮らす子供たちに…
仕事柄バイリンガルを目指す子供たちを数多く見てきたけれど、成功した例の共通項は一つ。 読書好き まあ、これは日本で普通に教育を受けている子の学力差の説明にもよく引き合いに出されるのだけど。 ただ、最近、バイリンガルを目指す保護者間で聞かれるよ…
// リンク の著者である道村静江先生に個人的にお会いする幸運に恵まれた。 「ミチムラ方式」は、これまでの 何度も書いて覚える漢字指導 ⇒ 唱えて覚える漢字指導 への転換を提案している。先生がこの方法を編み出したのは、盲学校の勤務の時。その後、一般…
バイリンガルを目指すには「読書」、そしてその芽を養う「読み聞かせ」の重要性について、前に書いた。 で、これを実現しようとして問題なのは、 アクセスできる本が圧倒的に少ないこと。 図書館はもちろん、日本語の絵本を購入するのも海外では難しい。大人…